マンション管理組合向けの保険の代表的なものとしては、①火災保険、②個人賠償責任保険、③施設管理者賠償責任保険の3つが挙げられます。第1回目は火災保険についての基礎知識を記載します。

≪火災保険≫
1.共用部分のみを対象とした基本的な補償
通常の火災保険は建物全体に掛けますが、マンション管理組合の場合はマンション共用部分だけに火災保険を掛けます。したがって、建物全体のうち共用部分の保険金額を正しく把握することがポイントとなります。

2.共用部分の保険の範囲
マンションは個々の住居となる専有部分と躯体・外壁や廊下・階段といった共用部分で成り立っています。つまり、「マンションの建物=専有部分+共有部分」となります。
 共用部分には、法律上当然に共用部分となるもの(法定共用部分)と管理規約によって定められた共用部分(規約共用部分)の2つがあります。火災保険では、共用部分の範囲を「上塗り基準」で定めるのが通常となっています。つまり、躯体部分は共用部分として、内装部分のみを専用部分とする考え方です。

3.積立型火災保険が主流
積立型は、将来の大規模修繕資金運用を目的とした火災保険に積立特約を組み合わせた保険で、保険期間終了後に満期返戻金が支払われるタイプです。