≪マンションの保険に関する主な改正点(2010年4月1日施行)≫

1.超過保険

保険契約締結時に「超過保険」状態であったことについて、保険契約者が「善意」かつ「重大な過失がない」場合は、超過部分を取り消す(契約始期にさかのぼって保険料の返還を求めることができる)旨が定められました。※超過保険とは、保険金額が保険価額を上回ってる状態のことです。

2.重複保険

例えば、一つの建物(評価額1千万円)に同種・同危険を担保する保険の契約が複数社ある場合に、改正前は複数社にそれぞれ保険金の請求をする必要があったが、改正後はどれか1社にのみ請求できるようになりました。(保険金を支払った会社は、他の会社に責任分を求償する)

3.保険金の支払時期

保険会社は、保険金請求手続き完了日から「支払期限(保険種別毎に約款に明記)」までに保険金を支払うこと。また、支払期限を経過した日から遅滞利息を支払うことが定められています。

4.消滅時効

保険金請求権にかかる消滅時効は3年に延長されました。なお、保険料の請求については、1年です。

5.賠償責任保険の先取特権

被害者の先取特権の規定が新設されています。管理費等の先取特権(区分所有法第7条)は、抵当権などの登記した権利には遅れますが、損害賠償の保険金請求権の先取特権は、そのようなものではないので、被害者の保護に役立つものとなっています。